エグゼクティブ・サマリー:研究のグランドデザイン
1. 研究の背景と目的
猫の乳腺腫瘍は、その80〜90%が良性ではなく悪性であり、外科的切除後も高い再発率と転移リスクを伴います。本研究は、フアイア糖鎖TPG-1を術後の標準ケアに併用することで、免疫状態の維持、QOL(生活の質)の向上、および再発・転移までの期間(DFI/OS)に対する影響を多施設共同で検証することを目的とします。
2. 研究の全体スキーム
調査形式: 多施設共同・前向き症例調査(コホート研究)実施主体: 麻布大学小動物内科学研究室
対象動物: 外科的切除を実施する猫の乳腺腫瘍症例(ステージⅠ〜Ⅳ)
※術前エントリーを推奨。既に外科的切除が実施済みの症例も、術後の経過が浅い場合は登録可とします(詳細は「症例選択基準」参照)。
追跡期間: 最低6ヶ月、最長24ヶ月(術後 3・6・9・12・15・18・21・24ヶ月の3ヶ月ごとに定期評価)
提供資材: 臨床研究用としてフアイア糖鎖TPG-1製剤を研究期間中無償提供(研究専用パッケージにて供給。詳細は「4. 研究用資材の仕様と取り扱い」参照)
配送方法: すべて動物病院宛に配送(飼い主様への直接配送や、事務局による個人情報の取得は一切行いません)
連絡方法: 事務局と病院様とのやり取りは「専用フォーム」および「事務局メール」に限定します。
お電話でのお問い合わせは承っておりません(詳細は「ステップ9」参照)。
研究実施プロトコル(獣医師向け)
1. 症例選択基準(Inclusion Criteria)
本研究のデータの信頼性を担保するため、以下の基準を設けます。
・病理組織学的診断により乳腺腫瘍と診断されていること。
(※術前のエントリー時点では「疑い」も含みますが、正式登録時に病理確定が必要です)
・外科的切除(部分切除または全切除)が実施される予定であること、または既に実施済みであること。
※術前のエントリーを原則とします。既に手術が完了している症例については、
術前検査データの欠落や観察開始時点のばらつきが生じるため、事前に事務局までご相談ください。
- 腫瘍径(最大径)および個数
- リンパ節の状態(鼠径・腋窩リンパ節の腫大の有無、針生検結果等)
- 遠隔転移の有無(胸部レントゲン/CT等)
・飼い主様より継続的な給与と通院、および研究データ利用への同意が得られていること
(同意書は病院様にて保管)
2. 除外基準(Exclusion Criteria)
・選択基準において必要な臨床データが集まらない症例。・生存期間に影響のある重篤な併発疾患がある場合(FIV、FeLV陽性など)。
・既に外科的切除が実施済みで、手術日から相当の時間が経過している症例。
3. 評価項目(主要・副次アウトカム)
先生方には「経過報告フォーム」を通じて、各タイミング(3ヶ月ごと)で以下の情報をアップデートいただきます。
・フアイア糖鎖TPG-1給与状況: 3倍量を基本量とし(本研究では「3倍量=基本量」と定義します)、
当初からの変更(体重依存による調整等)や残量、有害事象の有無の確認
・再発・転移の有無: 触診、画像診断による局所再発・遠隔転移の確認
・症例の状況の確認: 一般状態(QOL指標)、体重、その他併用療法の有無(抗がん剤、分子標的薬、ステロイド等)
4. 研究用資材の仕様と取り扱い
・専用パッケージ:研究用資材は、市販品との混同および転売を防止するため、商用パッケージとは異なる研究専用品にて供給します。飼い主様が市販品と取り違えないよう、お渡しの際にご説明をお願いいたします。
・給与方法説明書の同梱:飼い主様向けに、給与量および給与方法を記載した説明書を資材に同梱します。必ず飼い主様にお渡しのうえご指導ください。
・転用・譲渡の禁止:研究用資材は本研究の登録症例に対してのみご使用ください。第三者への販売・譲渡はご遠慮いただきます。
研究実施ガイド
【ステップ1】プロジェクトへの参加意思表示
まずはプロジェクトへの協力意思を「参加申請フォーム」よりご登録いただきます。事務局より事前の説明会日程を調整し、病院様と本研究についての説明会を行います(30分〜1時間を想定)。この際、動物病院コード・担当の獣医師名の確認や連絡先・送付先住所・口座情報の確認・症例IDの共有も行います。
※事務局から通知された症例IDは、病院で保管する「同意書控」の右上や電子/紙カルテ等に必ずお控えください。
参加申請フォーム
https://c453y.share.hsforms.com/2iTlHCBHeTNa5nsb5W7_jOg
【ステップ2】飼い主様への説明と同意取得
乳腺腫瘍の手術予定(または検討中)の症例が発生した段階で、飼い主様へ説明文書をお渡しいただき、研究参加の署名(同意)を得ます。原本は病院にて厳重に保管してください。
【ステップ3】事務局への症例事前連絡
同意が得られましたら、先生から事務局へ簡易的な「症例事前連絡」をいただきます。
ご連絡は事務局メールにてお願いいたします。
※この時点では詳細な病理データや個人情報は不要です。
【ステップ4】症例IDの発行と初回資材の発送
事前連絡を受け、株式会社HACHIより「初回3ヶ月分(基本量=3倍量)」の製品(以下、資材)を、送り状に症例IDを明記した上で動物病院宛に発送します。これにより、手術後の退院当日に、その場で飼い主様へ製品を手渡すことが可能になります。
※発送する資材は研究専用パッケージ(前掲「4. 研究用資材の仕様と取り扱い」)とし、給与方法説明書を同梱します。
タスク:送り状作成
【ステップ5】術後の正式登録(術後申請フォーム)
手術が終わり、外注等の病理組織検査の結果(ステージや悪性度)が出たタイミングで、発行された症例IDを用いて「術後申請フォーム」より初回症例情報(臨床データ)を入力いただきます。これをもって正式な研究エントリー(追跡開始)となります。
※病理組織検査の結果、万が一「乳腺腫瘍以外」と判明した場合、または飼い主様の同意撤回等により研究登録が見送りとなった場合は、事務局メールにて「登録見送り」の旨をご連絡ください。資材のご返送は不要です。
お手元の資材は当該症例にそのままご使用いただくか、院内にて適切にご処分ください。なお、研究用資材の販売・第三者への譲渡はご遠慮ください。
術後申請フォーム
https://c453y.share.hsforms.com/2mSIkj175R5qsN_j5v_0Htw
【ステップ6】2.5ヶ月目:生存確認と次回資材の前倒し配送
診察のタイミング(3ヶ月目)でその場ですぐに次の資材を手渡せるよう、2.5ヶ月目の時点で事務局から先生へ「生存・継続確認」のリマインドメールをお送りいたします。(リマインドはメールのみで行い、お電話はいたしません。)
【ステップ7】返信確認と次回分の発送
先生から「継続中」の返答をいただいた時点で3ヶ月目の診察日より前に「次の3ヶ月分(4〜6ヶ月目用)」の資材を病院へ前倒し配送します。
【ステップ8】3ヶ月目(来院当日)の診察・手渡しと経過報告
飼い主様が来院された際、事前に届いている資材をその場で手渡します。
診察後、先生は「経過報告フォーム」より診察結果をご報告いただきます。
※来院予定日から2週間経過しても経過報告がない場合は、事務局より後追い確認をいたします。
(後追い確認はメールにて行います。)
それでもご連絡がつかない場合は、大変遺憾ながら「中途終了」とみなします。
また、経過報告が未入力のままである場合、次々回(5.5ヶ月目)の資材発送がストップします。
以降、3ヶ月ごとにこのサイクルを繰り返します(最長24ヶ月)。
【ステップ9】お問い合わせ窓口について
本研究に関する病院様からのご連絡・ご質問は、すべて事務局メールアドレスにて承ります。
・お電話でのお問い合わせはお受けしておりません。・事務局からの連絡も、メールを通じて行います。
【謝礼の支払いについて】
各症例のモニタリング期間終了(または看取りまでの追跡完了)後、貴院指定口座へ30,000円の謝礼をお支払いいたします。
※期間中の経過報告フォームがすべて適切に入力されていることが条件となります。
中途脱落症例の扱い(死亡による追跡終了を含む)についての詳細な支払い基準は、事務局の個別規定、または先生方との事前の協議に基づきます。
リスク管理・倫理・法的規約
1. 有害事象(AE)発生時のプロトコル
・定義: 軟便、嘔吐、アレルギー反応、その他、製品給与開始後に発生したあらゆる望ましくない体調変化。
・対応フロー: 主治医(貴院)に連絡。
先生は事象を確認し、因果関係を判定(関連あり・なし・不明)。
・報告義務: 給与との因果関係が疑われる重篤な有害事象(入院を要する体調悪化や死亡など)が発生した場合、獣医師は事象確認後、速やかに事務局へ一報を入れてください。
・免責: 製品の瑕疵(汚染等)を除き、個体差による体調変化や腫瘍の進行に伴う治療費の補償は行いません。
2. 個人情報の取り扱い
飼い主様の氏名・住所・連絡先は病院が「個人情報管理者」として保持します。
株式会社HACHIに送付されるデータはすべて「症例ID」によって管理され、個人を特定できる情報は含まれません。

