正規取扱い動物病院の先生方へのインタビューを通して、動物用フアイア製品の活用方法や実際の効果実感について深堀りをする「VETS VIEW」第二弾は、アニー動物病院の森岡翠里先生にお話を伺いました。

腫瘍を中心に、幅広い患者に対して処方し、適用症例の幅をどんどん広げられているようです。

アニー動物病院独自のツールも用いて、飼い主さまに積極的に推奨されている森岡先生が実際に感じている動物用フアイア製品の魅力とお勧めの仕方について詳しく伺いました。

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動物用フアイア製品導入のきっかけを教えてください

当院の飼い主さまが「動物用フアイア製品を使ってみたい」とリクエストされて、製品の資料が届いたのがきっかけです。購入を希望している方がいるのであれば取り入れようかと特に躊躇なく取扱いを開始しました。

主に腫瘍系の治療の際に推奨しています。抗がん剤ってやっぱり飼い主さまの抵抗があって、今までだと他にも生薬系とか色々がんに効くというサプリメントをお勧めしていたんですけど、いまいち実感がないというか、飼い主さまがあまり続けてくれなかったんですね。

そこを強化したい、何かそこの空いたところを埋めるものがないかなと探していたタイミングだったので、動物用フアイア製品がちょうど良かった感じですね。

 

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実際に使っていただいての効果実感はいかがでしたか

例えば従来は「もう抗がん剤はしたくない」っていう飼い主さまは、ほとんど自然に任せるスタイルだったんですね。そうすると数ヶ月でどんどん悪くなっていくのが、動物用フアイア製品を続けてくれると少し延びてるような気がするのと、QOLが上がってるように感じます。

「食欲が出てる」とか「漠然と元気がある気がする」とか、腫瘍の進行具合が緩やかになったような感触がありました。飲んでいなかった場合と比べられないので一概には言い切れないんですけど病理の診断で悪性度が高いと出てしまったものでも、それなりの期間頑張ってる子が多いですね。

年齢的にはやっぱり対象が高齢の子が多く大半を占めています。若いとあまり効果は実感しにくいのかもしれません。もちろん若くして腫瘍になった子にも出すんですけど、今のところ健康維持目的で症状がない状態で使用している子は少なくて、病気の子なので高齢の子が大半ですね。

最近出し始めたのが、猫風邪です。まだ少数ですけどちょくちょく出し始めてたりとか、あとは最近アレルギーにも出しつつあってまだ日数が経ってないんでそんなに実感が湧くほど結果は返ってきてないんですけど、ちょっとチャレンジしてますね。

 

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院内での動物用フアイア製品の販売状況を教えてください

今大体1ヶ月あたり20個から25個ぐらい使っています。
最初は1個を出して、嗜好性に問題がないか、金額的にもOKしていただけるかを確認します。問題がなければ継続を勧めていきます。
日本獣医フアイア研究会が発表しているガイドラインに沿って、症状と体重を見て給与量の指示を出しています。大型犬の子の場合ですと1回で5個買っていく方もいらっしゃいます。がんの手術をした子で5個買っていかれる方もいらっしゃいます。

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発注の目安などは決まっていますか?

5~6個ぐらい一度に買っていく方がいらっしゃることを考慮して、10個を切ったら、追加発注か定期の前倒し発送をお願いすることが多いですね。
当院の場合は、看護師さんに動物用フアイア製品を出す指示をします。看護師さんがお薬を出す準備をするので、そのときに残っている数を数えて、都度把握しています。ざっと見て、残り1束(10個)になって、発注の有無の確認が入るので、相談して発注数を決めていますね。

公式サイトでも購入できることをお伝えするというのが前提です。
その上で、今だと5~6個一気に購入される方の分の確保と、新規で診察の際に出したくなった場合にすぐ出せるように、プラス5みたいなイメージが当院には合っているのかなとは思っています。

飼い主さまの反応はいかがですか?

「与え始めてからとても調子が良い」「好不調の波がなくなった」のお声を聞いています。悪性のがんの子が多いので、元気でいるというだけでみんな喜んでくれている感じですね。

わんちゃんは大体食べるんですけど、猫ちゃんはどうしてもご飯を食べなくなっちゃったっていう子がいたりします。そんなときは「水に溶かしてあげることもできるよ」とお伝えしています。

どうしても食欲のない子とか、体力が落ちていて飼い主さまもメンタル的に落ちてるときなんで、無理やりあげることに抵抗があるんですよね。特に抗がん剤をご希望でない飼い主さまは、基本的には嫌がることをあまりしたくないという考えはあると思うので「シリンジで溶かして口に突っ込むのがちょっとかわいそう」という方もいらっしゃいますね。

与え方の相談をされた時には、「できるだけ、おやつなど好きなものに混ぜて」とは言うんですけど、どうしてもドライフードだと隙間から落ちて下に溜まったりするので、「湿り気のあるものに混ぜたり、味の濃いものに混ぜてくださいね」とお伝えしています。ただあまり無理強いはせず、「飲むといいことあるよ」って伝えるぐらいに留めています。

 

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飼い主さまによって勧める、勧めないを決めているのでしょうか?

飼い主さまで見るポイントとしては、やっぱり第一に「コスト」ですね。生々しいですけど、どれぐらいコストがかけられるのかと、どれぐらい積極性があるのかを見て、ご提案しています。その上で、「やってみようかな」と言ってくれるかどうか。

最初は「やめとくわ、考えるわ」と言っていた飼い主さまも、何回か診察していく中で、調子が落ちてきて、それは自然に任せるとどうしてもそうなりますねってなった時に「やっぱりこれやってみませんか?」と勧めたりはします。

森岡先生が動物用フアイア製品で一番評価していらっしゃるポイントはどういった点でしょうか?

「エビデンスがしっかりしていて、飼い主さまに説明がしやすい」というところです。

具体的には、人の臨床試験結果です。やっぱり飼い主さまは人医療の話が出ると、途端に信憑性が増してくれるみたいで、「1000人規模の肝臓がん術後患者に2年間フアイアを投与して無再発生存率で有意差が出た、というデータがあってそれを動物用に開発したものですよ」とお伝えすると、ちょっといかがわしいものから途端に信頼性とエビデンスのある、いわば医薬品みたいな印象を持ってくれるみたいなので、とても勧めやすいです。

あとは、製品の見え方が馴染みやすいのもポイントだと思ってます。何の薬かよくわからない「効く人に効く秘密の薬」みたいな製品も多い中で、タレントを起用したり、良い意味で大衆に近いようなパッケージと広告展開で、飼い主さまにとってもいかがわしさや未知な部分が少ないので、そこは助かりますね。勧めやすいです。

「がんに効く!」って言うと、急に皆さんちょっと怪しい感じのイメージを持たれるので、そこを人医療から派生しているとお伝えすると、そもそも耳を貸さないような人が話を聞いてくれる、という感触があります。

飼い主さまには、何かツールや資料を用いて説明されていますか?

看護師さんが作ってくれた資料を使っています。手作りで分かりやすく説明したもので、獣医師がいなくても全員が説明できるようにしています。セミナーの内容を看護師さんがまとめてくれたんです。

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あとはこのガイドラインはよく使ってます。これをお見せせずに「3倍量与えてくださいね」と言うと「えー」「高い」って言われるんですけど、「ガイドライン」というワードがとても響くのかなと(笑)しっかりしたデータがあって、3倍使った方がいいんだよと説明すると、飼い主さまとしては納得しやすいのかなと思って使っています。

 

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アニー動物病院の販売実績を拝見しますと、動物病院で積極的に販売されている一方で、公式サイトでも定期購入を開始する飼い主さまがコンスタントに増えていらっしゃいます。
これは何か工夫されていることはあるのでしょうか?


月に1回ぐらいの頻度で再診したり、血液検査等で来てもらわないといけない子とかだとついでに当院で買っていくんだと思うんですね。

一方で、例えば乳がんを摘出して、その後安定している子の場合だと、まず公式サイトでの購入をお勧めしています。「もううちに来なくてもこっちで買えるよ」と定期購入の説明をして、「便利で安くなりますよ」とお伝えしたりしています。動物病院コードを受付の目立つところに貼っていたりとか、リーフレットも陳列しているので、待合で待っている間に、公式サイトで購入できると気づく方もいらっしゃると思います。

最初から病院で買っていく方もいますけども、その場で決めきれず悩む方も多いので、必ず最初に病院コードが貼ってあるリーフレットを渡して、「これを読んで検討してみてください」と伝えています。公式サイトでも購入できるし、当院にもありますよという感じですね。

公式サイトでの購入を最初にお伝えして、家が近いとか、何かついでだったら一応当院にも在庫がありますよという感じでお伝えするのが良いのかなと思っています。在庫の管理が大変になってくるので、強要はしないけども選択肢としてお伝えしています。

他社製品でもオンライン販売が増えていますし、飼い主さまも多分インターネットで購入することに、昔ほどの抵抗がなくなってきている感覚があるので、積極的に公式サイトでの購入方法を教えていますね。

感覚的には、すぐに買ってくれる方は10人中3人ぐらいでしょうか。

「体に良いものは何でもしたい」という飼い主さまと、あとは、抗がん剤治療を始める際にセットで処方として出しています。「続けられなかったら辞めていいから、とりあえず飲んでみてください」と言って出しています。
残りの方はリーフレットだけ持って帰ってちょっと1回家族と考えますという感じですね。そのときにこのガイドラインを見せて、「大体この体重だと、悪性腫瘍で、無治療・緩和ケア目的で使用するので、3倍量ですね。製品1個には28杯分入っているので、1日3杯で与えると大体1週間分です。1か月で4個、金額はこれぐらいですよ」という風にお伝えします。その日には買わないんですけど、後日また買いに来られたりする方もいらっしゃいますね。

 

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代表的な使用状況の詳細を教えていただけませんでしょうか?

1人目は、乳腺腫瘍で来院されて、手術をしました。

飼い主さまは60代か70代ぐらいのお母様でした。乳腺がんの診断が出たので、検査結果を報告したタイミングで製品のことをご紹介しました。動物用フアイア製品を1個、院内で出させてもらってます。それから公式サイトでの定期購入を継続されていますね。
その時に動物病院コードシールを貼ったリーフレットを一緒にお渡ししているので、飼い主さまご自身で判断して公式サイトで購入されてますね。

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次の子は、腸管リンパ腫です。

高分化型で炎症性腸疾患(IBD)とリンパ腫の境目ぐらいの検査結果で「リンパ腫を否定はできない」という診断だったので、ステロイドは使わずに動物用フアイア製品だけを続けてもらっています。

「定期検診で経過観察してまた腫れて悪化してきたら、ステロイドの使用も検討しましょう」と伝えています。この飼い主さまにも最初に1個出してます。2回目は3週間後に取りに来られました。そこからは当院では購入されていないので、公式サイトで継続されていますね。

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この子は今2歳で、他の病院でリンパ管拡張症と診断されていたということで、全体的に食べむらがあり、お腹がゆるくて、時々吐くので何かしら腸の免疫系疾患を疑い、動物用フアイア製品をお勧めしてみました。私の中ではちょっと特殊で、チャレンジで勧めてみたという事例です。この方は当院では購入されずに、最初から公式サイトでの購入で継続されていますね。

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最後に、アニー動物動物病院さんの「こだわり」は何でしょうか?

獣医師として、やっぱり何もできないっていうことは極力無くしたいなという思いがあります。
どんな病気でも、何もできない・諦めるのではなく、できる限りのことをするけども決して飼い主さまに無理をさせたくないという狭間で、飼い主さまと相談した上で「最大限できること」という意味では動物用フアイア製品はとてもフィットしてると思っています。
全部が全部強い治療、最先端の治療っていうのではなくて上から下まで万遍なく、選択肢を多く持った上で飼い主さまにご提示していきたいと思ってます。

 

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